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フードチェーン情報公表JAS規格が、いよいよ運用開始間近

一般社団法人スマートフードチェーン推進機構​

取り組み紹介2023-03-28

フードチェーン情報公表JAS規格が、2023年2月10日のJAS調査会における審議・議決を経て、正式に制定されることになりました。登録認証機関による認証取得希望者への講習内容、申請手続きなどの準備が進んでいます。

フードチェーン情報公表JAS規格がいよいよ制定・公示へ

フードチェーン情報公表JAS規格は、SIPスマートバイオ産業・農業基盤技術で検討会を設置し、規格原案の検討を積み重ねてきました。その後、農林水産省や農林水産消費安全技術センター(FAMIC)などとの調整を経て、2022年秋にスマートフードチェーン推進機構から農林水産省にJAS規格原案の申出を行いました。

フードチェーン情報公表JAS規格は、「産品(もの)」ベースで流通プロセスを認証するJAS規格です。これまでも有機JAS規格、生産情報公表JAS規格等、産品ベースで生産段階の取組を認証する規格はありました。しかし、生産後の流通プロセスを対象とする規格は存在していませんでした。
フードチェーン情報公表JAS規格は、「産品(もの)」ベースで農林水産物の品質を維持するための流通工程管理基準を定め、この基準に基づいて認証する初めてのJAS規格となります。

識別番号の付与及び保持、流通管理基準の適用、フードチェーン情報*の記録、保存及び公表という、品質を維持するために規格が求める条件を満たす農林水産物は、「フードチェーン情報公表農産物」としてJASマークを貼付できるようになります。
消費者は、JASマークとともに掲示される識別番号や二次元バーコードを利用して、産地・流通経路や、流通行程における品質管理等のフードチェーン情報を確認できるようになります。

*フードチェーン情報:流通工程管理基準の適用状況を含む、トレーサビリティによって追跡可能な、農産物の履歴、適用、移動及び所在にかかる情報

産品の入出荷登録・格付をサポートする「JAS統合パッケージ」をukabis上で提供

フードチェーン情報公表農産物の認証取得を希望する事業者は、登録認証機関から認証を受ける必要があります。登録認証機関オーガニック認定機構(OCO)が、認証取得希望者から提出された申請を受付、書類審査、実地検査を行った後に、レビュー判定を行い、適格と判定された事業者に対して認証書を交付する手順となります。
また、フードチェーン情報公表JAS規格を実際に運用していくためのシステムについては、スマートフードチェーン推進機構が、ukabis上で機能する「JAS統合パッケージ」を提供します。認証事業者の事務負担が軽減できる、効率的でシンプルなシステムになるように調整が進められており、早期のサービスインを目指しています。

フードチェーン情報公表JASは、新しいJAS規格であり、また幅広い領域の事業者が対象となることから、普及させるためには業界に対する規格への理解と周知が重要であり、広報活動やモデルとなる認証事業者の具体化が取り組まれています。
また、輸出事業者からの関心が高いことに対応して、「JAS統合パッケージ」の多言語化、電子送り状へのJASマーク表示などの機能の拡充が予定されています。

対象品目についても、既にフードチェーン情報公表農産物としてJAS調査会の了承を得ているレタス、メロン、ぶどうに加え、いちご、コメの規格策定が予定されています。さらに、農産物以外の水産物への拡張が視野に入っているなど、今後の取り組みの広がりに期待が集まっています。