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ukabisを活用してこども食堂への支援を実現する-クラダシ- Part 3

株式会社クラダシ 人事広報部 広報・基金運営G グループリーダー 中野奈緒子

実証報告2023-02-16

フードロス削減を目指し、食べられるのに捨てられてしまう商品をおトクに販売するKuradashiを運営するクラダシは、こども食堂支援の仕組みづくりのため、実証実験を繰り返し、課題の洗い出しと解決の方法を模索しています。

Part 1はコチラから
Part 2はコチラから

実証実験の規模を2都市に拡大、運営のさらなる検証を行う

2022年12月にクラダシとコンソーシアムは​、​ukabisを活用した企業とこども食堂とのマッチングを始めるための実証実験を実施しました。既に令和3年度に1回、令和4年度秋に1回実施済みで、3回目の実施となる今回は規模を拡大し、大阪市から23団体​、​豊中市から3団体の参加を得ました。
三菱地所ITソリューションズ(東京)、他1社(大阪)から災害備蓄食品の寄贈を受け、1,600食を用意。
配送については、数量が多い場合のトラック配送、少ない場合のタクシー配送に加えて、こども食堂から要望のあった、受取時間の指定ができる宅配便での個配送を実施しました。

より活用しやすい寄贈サポート環境を作り出す

食品を寄贈する企業とはクラダシが直接連絡をし、調整を行いました。こども食堂からの寄贈食品の注文はクラダシのシステムを使い、先着順に確定していく形です。寄贈マッチングの意味合いから公平性に配慮するには、1つのこども食堂からの注文数量を規定するなど、新たな管理の考え方が必要となるため今後の検討としています。

以前の実証で工数に直接大きな影響を与えることが明らかになった、こども食堂とのコミュニケーションについては​、​検証と調査を継続しました。
具体的には、こども食堂とのスムーズなやりとりを実現するために、食品寄贈のための合意書の締結、メールやWebの確認依頼、システムの使い方を理解してもらうためのマニュアル作成などを行いましたが、工数を大幅に軽減することはできませんでした。
これらはこども食堂ごとにデジタルへの慣れに差があることに起因するもので、こども食堂の数が増えるにつれて、これらの作業も増えていく懸念がありました。
今回、この方針で運営するなかで見出したのは、各地域でこども食堂を支援している中間支援団体の活動です。例えば配送された食品の仕訳を手伝っていることなど、現場の実情を良く理解した的確な支援がなされており、今後は中間支援団体との連携が1つの方向になると感じています。

今後、ukabisに幅広い食品に関するデータが蓄積されるようになると、食品の寄贈を希望する企業や団体からはクラダシへの依頼がより容易になり、同時にクラダシの受け入れ業務が軽減でき、より多くの数量/件数を扱える可能性が高まります。さらに中間支援団体などとの連携が実現すれば、より活用しやすい寄贈サポート環境を作り出せるでしょう。
クラダシにとってこども食堂への支援は取り組むべき重要な検討事項だという認識は変わらず、継続して支援できるしくみを整えていきたいと考えています。